第20回デジコンサロン
中国電脳事情
1998年1月23日 第20回「デジコン・サロン」
- -「中国電脳事情」 - -
中国は今、国を挙げてインターネット、マルチメディアをはじめとするハイテク企業に力を入れ、21世紀における先端技術立国を目指しています。北京大学の産学共同ベンチャーから始まったソフトハウス北大方正のように、社員数2,700人、年間総売上900億円という目覚ましい成功例も出てきています。
北京市の西北部、北京大学、清華大学、人民大学が集中する中関村というエリアは、戦後すぐの秋葉原のような賑わいで、たくさんのベンチャー企業が誕生し、中国のシリコンバレーと呼ばれています。この中関村を取材された高木講師に、ビデオ、スライドを交えてレポートしていただきました。
■講師
高木 利弘(たかぎ としひろ)
株式会社クリエイシオン代表取締役
マルチメディア・プロデューサー
1955年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。
日本で最初のMacintosh専門誌「MACワールド日本版」を創刊。
1987年、(株)ビー・エヌ・エヌに移籍し「MACLIFE」を創刊。
1993年4月、同社取締役副社長に就任するとともに雑誌、書籍、CD-ROMなど出版物全
般のプロデュースに関わる。1995年、インターネット時代の先進メディアをテーマに
した「MEDIA
FRONT」を創刊。そして、RDB(リレーショナル・データベース)マーケ
ットで最大シェアを誇るオラクルをテーマにした「Oracle
Life」をプロデュースす る。
1996年6月、独立して(株)クリエイシオンを中心に活動を開始。パブリッシャーと
しての経験を生かして、インターネット、マルチメディア関連のコンサルティング、
プロデュース、セミナー、執筆活動を行なう。
■米国とは違った意味で「大陸性」を感じる中国
日本経済の低迷から最近元気のない日本のハイテク業界ですが、ハイテク関連の中国企業、大学は成功を目指す若い力を感じさせ、またその周辺の街には戦後の秋葉原を思わせるような雰囲気で、今の日本にはない活気に満ち溢れています。
特に産学一体となってハイテク産業を育成している北京市の北京大学、清華大学を中心にして、シリコンバレーの先端企業と変わらない雰囲気の中、若いエンジニア達は成功を目指して開発に励んでいます。
■日本の大手出版社にも採用されたDTPソフトウェア
注目すべき成功例として「北大方正」を挙げることができます。ここでは、人民日報をはじめ中国国内の主要新聞のDTP化に端を発し、現在では世界中の中国語圏のDTPマーケットで80%以上のシェアをもつ、非常に優れたDTPソフトを開発しています。日本でも大手の出版社の導入がすでに決まっており、そのクオリティはきわめて高く、高度な品質が要求される日本のチラシ印刷でも十分に対応でき
るものとなっています。すでに従業員数2700人、900億円規模の売り上げがあり、WindowsベースのDTPで、今後中国語圏だけでなく、日本の市場でも注目を集めることでしょう。
■中国の素顔
1980年に始まった改革開放路線は1989年の天安門事件でいったんブレーキがかかったものの、1993年ごろから経済面で飛躍的な成長を遂げるようなり、商業的な成功への欲求はかつてないほど高まっています。北京空港の管制塔にまで広告があり、通勤ラッシュによる交通渋滞、光化学スモッグが日常茶飯事の北京市内を見ると、貧富の格差、公害など解決すべき問題が多々あるにしても、大きく経済・時代が変化していくバイタリティを感じさせます。
■中国のコンピュータ事情
現在の中国では、北京大学、清華大学など大学が積極的にハイテクベンチャー企業を興し、有力なソフトハウスには国を挙げてバックアップする産・官・学共同体制ができあがっています。中国最大のパソコンメーカー「聯想集団」は、輸入海外ブランドを押さえ、設立後数年のうちにシェアNo.1となりました。企業規模では「同創」、「北大方正」がこれに続きます。パソコンの価格は日本並みで、中国の一般層には非常に高価なものとなっていますが、それでも飛ぶように売れ、中関村一帯にはベンツなど外車が珍しくありません。インターネットにも、規制がないわけではありませんが、大学などからは比較的自由にアクセスすることができ、インターネットカフェもあります。とはいえ、個人が自宅にサーバを立ち上げるということはまだ実現していません。耳のツボで健康診断、および治療するデモンストレーションを、街の玩具屋でやっていました。実際に診断してもらったところ、かなり的中していたあたり、さすが中国と感心しました。
主催:ニッポン放送 F.I.R.E.事務局
協賛:株式会社アクシス