第14回デジコンサロン
電子商取引と電子マネーの現状と展望


1997年7月24日 第14回「デジコン・サロン」ご案内

- 「電子商取引と電子マネーの現状と展望」 -

7月24日にコンパック・メディアサロンで開催されたデジコン・サロン第14回「電子商取引と電子マネーの現状と展望」のもようをお知らせします。

■講師

講師 鈴木 寛(すずき ひろし)

通産省機械情報産業局情報処理振興課総括課長補佐

1964年生まれ 神戸市出身。

1986年 東京大学法学部卒業後 通商産業省入省。

1997年7月1日より、現職。

講師:鈴木 寛(通産省機械情報産業局情報処理振興課総括課長補佐

■ECOMについて

通産省が、昨年の1月にECOM (Electronic Commerce Promotion Council of
Japan)電子商取引実証推進協議会を設立しました。「エレクトロニック・コマース(EC)」とは、狭義には企業-消費者間の電子商取引を指しますが、EDI(企業間のオープンネットワーク)、CALS(特定企業間の電子商取引)と合わせた3つのカテゴリーで構成されています。「ECOM」というのは、特に企業-消費者間の19のプロジェクトにおける参加企業230社あまりが中心となって作られた協議会の総称です。

■スマート・コマース・ジャパン~3万人を対象に神戸でスタート

スマート・コマース・ジャパンは、19のプロジェクトのひとつでプリペイドカード「ビザ・キャッシュ」(電子決済)とクレジットカードの2つの機能を兼ね備えた、世界初のIC型カード利用による大規模なリアル・モール実験のことです。三宮及びハーバーランド地区においてダイエー・阪急が中心となり地元商店街も含めた約400店の加盟店により実施します。いくつかの大学では学生証としても発行されます。また来年には、渋谷で大規模な運営実験(10万人・加盟1000店)や、大宮での郵便貯金と兼ねあわせた実証実験が予定されています。

■通産省が提唱する2つの観点

<デファクトスタンダード主義> 

官庁が主導権を取って推進する従来のスタイルではなく、複数の企業が競合して開発にあたり、結果として「市場で淘汰され、広く受け入れられて残るものが良いもの」という捉え方を政策方針の基本としています。

国の補助金における部分はパブリックドメインとして公示していきますから、企業コンソーシアムが実験した結果を改良してゆく過程でデファクトスタンダードとなるものが構築されてきます。

<ユーザーオリエンティッド主義>

今までの情報政策と情報産業の歴史では、コンピューターメーカーに重点をおいた振興策が取られてきましたが、消費者の声は一番身近で接している産業(クレジットカード、流通、銀行など)に反映されなければなりません。ECOMでは、サプライサイドとユーザーサイドを半々に、またニュートラルな総合研究所も加わった組織を構成し、それぞれに同じだけの発言権を確保しています。

■日本のECを進めるにあたってのポイント

米国では通信販売が日常生活に浸透しているため、既存の通信販売システムを電子化することで対応できますが、対面販売が商習慣となっている日本で普及するためには、消費者が-
(1)通信販売(非対面販売)に慣れる
(2)電子化に慣れる-という2段階を踏むことになります。

■ECを普及させていくための今後の方法と展開

<デジタルコンテンツの強化>

「広告、引合い、受発注、決済、デリバリー、アフターケア」という商品販売のステージすべてを電子的に実行できるのは、デジタルコンテンツしかありません。しかし現状では「販売できるものがほとんどない」ことが最大の問題です。良質のデジタルコンテンツを制作するには、人材が育成が求められます。

<メディアミックス>

インターネットの情報は、下りと上りが同じ高価な回線を通る必要はありません。また、インターネットが既存のメディアに置き換わるのではなく、衛星放送やCD-ROM、DVDなどと共存する方向性をとり、雑誌媒体なども含めて付加価値として多彩なバリエーションが生まれる展開が望まれます。

<信用度の評価>

ネットワークにおける非対面取引では、見えない相手の信用度をどう評価するかが重要です。バーチャルモールが今後発展していくためには、ショップや商品のレイティング(格付け)の評価情報を事前に提供する必要があります。

消費者がいかに商品購入を安心しておこなうか、それを助ける様々なコンフィデンス・インダストリー(信用産業)が出現してくることが強く望まれます。

■関連サイト
http://www.ecom.or.jp/

主催:ニッポン放送 F.I.R.E.事務局

後援:コンパック株式会社

協賛:コンパック・メディアサロン