第11回デジコンサロン
デジタルクリエーター育成の現状と将来展望


1997年4月14日 第11回「デジコン・サロン」

- 「デジタルクリエーター育成の現状と将来展望」  -

 4月14日にコンパック・メディアサロンで開催されたデジコン・サロン第11回「デジタルクリエーター育成の現状と将来展望」のもようをお知らせします。

■講師

杉山 知之(デジタルハリウッド株式会社代表取締役社長/学校長)


講師:杉山 知之(デジタルハリウッド株式会社代表取締役社長/学校長)

■デジタルメディアとの関りについて

22年前、「良い音楽ホールを作ること」が私の研究目標でした。「音は目に見え
ない」ことから、プログラムを組んで、音を可視化するところから、CGを始め
ました。それ以来、常にユーザーとしてコンピュータに携わってきました。

マルチメディアはエンターテイメントやゲームの世界ではプロフェッショナルが
表現していくものですが、時の流れで失われてゆくありのままの伝統などを残す
ためにも「マルチメディアは、すべての人の読み書きできなくてはならない」と
いうのを基本理念としています。また、コンピュータはテレビ・ラジオ・本など
何でもまねっこするという意味でもとらえています。では、「コンピュータなら
では表現とは何だろう?」、それがコンピュータグラフィックスというわけです。

■ビジュアルサイエンス研究所の映像から

日本の「メディアラボ」を目指して研究された現場から、次のようなさまざまなコ
ンテンツを制作しています。

・環境問題やサイエンスなどをファンタジーとして解説する展示映像

・「ライドもの」と呼ばれる座席と映像が一体となって動くCG

・3Dの恐竜や「立体おばけやしき」

・バーチャルリアリティーのプラド美術館

・交通環境シュミレーターなど、

■人間の動きををリアルに表現する「モーションキャプチャー」
「モーションキャプチャー」は、体の代表点にマーカーを付け、そのマーカーの
動きを数台のビデオカメラで同時に撮って瞬時サンプリングして、3次元の座標の
動きとして、モーションデータを作る技術です。このデータをCGモデルに組み込む
と、たいへんリアルな動きをするCGキャラクターが作れるのです。

実際、「居合抜き」「ボクシング」といった素早い動きのリアルに再現できました。

■大道具にとってかわるテレビ番組の電子セット
テレビ番組ではCGで舞台を作りタレントと合成する電子セットが制作されています
。ダンサーもモーションキャプチャーで違和感を与えることなく、実際のタレント
と共演します。大道具を組み立てるコストがかからないため今後の需要が期待でき
ます。

■The Multimedia
School:デジタルハリウッドについて

・女性がリードするデジタルハリウッド

実際に入学しているのは、大学生やフリーターの学生がメインではなく、意外に
も会社を退社して新しい活躍の場を求めるエネルギッシュな女性が多く見られます。男性では、会社からの援助で学びに来ている例もいます。現在女性が6割(当初7割)平均年齢は27才(当初28才)。美術系出身者の集まりというわけではなく、一度は
社会経験がありという人がほとんどです。99%の人は、自費で学んでいます。

・短期間での学習、即戦力で活躍できるカリキュラム

本科・専科にはクリエイティブ(美術系)/プロデュース(文系)/ビジュアルサイ
エンス(理系)のコースがあります。約3倍の競争率をくぐり、厳しい授業を経て、
昨年は270人の入学生のうち250人が、コースを修了しました。

CG製作には、論理的思考力や語学力といった教育レベルも要求されますが、若い日
本人の豊かな表現力やオリジナリティーには、チャンスさえ与えられれば世界的な
コンテンツを制作できる可能性をもっています。卒業生のうち7割がマルチメディア
業界に入っており、今後その総合的な実践力が発揮できることに期待しています。
また海外からも学生を受け入れており、韓国から20人の国費留学生が派遣されました。

・業界での自分の適性を知る

人材派遣会社を設立したことにより学生はいろいろな業界を実際に体験でき、仕事
を通して自分の道を決めることができます。その後正社員として勤務することにも
制限はありません。フリーとして国内外で活躍したり、芸術家として作品を極める
といった学生もいます。

■関連企業

株式会社ビジュアルサイエンス研究所(VSL)CG/VRの表現技術研究

デジタルハリウッド株式会社(DH)マルチメディアの人材育成

株式会社デジタルスケープ(DS)人材派遣とシステムインテグレーション

ポリゴンマジック株式会社(PM)3次元CG次世代ゲームの開発

株式会社アイ・エム・ジェイ(IMJ)マルチメディア・ネットワークコンテンツ開発

株式会社デジタルアミューズ(DA)アミューズメントスペースの企画提案

■関連リンク
デジタルハリウッド株式会社(http://www.dhw.co.jp

主催:ニッポン放送 F.I.R.E.事務局

後援:コンパック株式会社

協賛:コンパック・メディアサロン